ヒューゴの不思議な発明
ベン・キングズレー ジュード・ロウ エイサ・バター・フィールド
面白くない作品ではないけれど、どちらかというと子供向けの内容で純粋な子供の目を通して描かれたアドベンチャーでした。ただ、この作品での子供に対する扱い方としては?の感じは拭えない。舞台がフランスだったからでしょうか。随所に映画草創期のシーンが盛り込まれていて、それはまた、映画製作者、鑑賞するものにとって大きな意義?いえ、今日の映画の果たす役割の萌芽が映し出された良い映画ではないでしょうか。
私の好みではなかったです。

ドラゴン・タトゥーの女
ダニエル・クレイグ ルーニー・マーラ
月刊誌(ミレニアム)の発行責任者のミカエルは、実業家の不正を報道したことで名誉毀損で訴えられて、その裁判で負けて会社を去ることになる。そんなときタイミングよく、スウェーデンの孤島に住む大企業の会長ヴァンゲルから40年前に失踪した孫娘の調査をしてくれとの依頼を受ける。
(会長は依頼をするにあたって、ミカエルの身辺を、背中にドラゴンのタトゥを入れた天才ハッカーのリスベットに調べさせていた。)
島にいるのは親戚ばかりで、調べを進めていくうちに連続殺人が起きていたことを知る。手が足りなくなったミカエルは会長の弁護士の薦めるリスベットを助手に。
そして浮かびあがってくる過去の情報を解読していくと真相が見えてくる。とこんな感じでした。

人間のおぞましい性を扱った作品で、なかなか面白い作品でしたが、最後がちょっとかわいそうでした。リスベット演じるルーニー・マーラの体を張った演技が凄かったです。 ミカエルの同僚で恋人役としてロビン・ライトが出ていましたが、好きな女優さんです。
ALWAYS三丁目の夕日’64
堤進一 吉岡秀隆 
東京オリンピックに沸く東京、夕日町三丁目を舞台におなじみの面々が織り成す日常が情感たっぷり描かれてありました。お年頃になった六ちゃんの恋、そして淳之介の悩みなどのエピソードを軸に、人間関係が希薄になったといわれる現代と違い、昭和39年当時、まだ人と人の絆が深くつながっているのを見て、心がほんわか和みました。しかししかし泣かせる作品でもありました。茶川さんの気持ち、淳之介の気持ちが切なくて心揺さぶられました。お化粧が崩れたら困ると思い、ぐっとくるのを何度こらえたでしょう。生まれたからかも知れませんが、昭和って良いですね。ちなみに自転車屋さん役の温水 洋一さんは宮崎県の都城市出身。そしてコカコーラの自販機が出ていましたけど、あれはえびの市のコカコーラから借り出されたということです。
この映画は何度見ても良いですね。これからもテレビで放送されたら見るでしょう。キャストのみんなが素晴らしかったです。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
トム・ハンクス サンドラ・ブロック トーマス・ホーン
9・11で父親を亡くしたオスカーは、父親の死をなかなか受け入れられない。ある日、父親の部屋に入り、クロゼットの中で青い花瓶に入った鍵を見つける。鍵の入っていた袋には「ブラック」の文字が書かれていた。オスカーはこの鍵が大好きな父親と自分を結びつける鍵に違いないと思い、電話張でニューヨーク中のブラックという人をチェック。学校が休みとなる土曜日と日曜日にニューヨークの町を捜し歩く。最後はちょっとほろりとさせる演出でしたが、なるほどと納得しました。
オスカー役のトーマス・ホーンが美少年で可愛らしく、父親を亡くした不安や焦燥感を上手に演じていました。その中で両親役のトム・ハンクスとサンドラ・ブロックがしっかり脇を固めていてなかなか重厚な作品に仕上がっていました。アカデミー賞作品賞にノミネートされたのも納得!
サンドラ・ブロックも好きな女優さんなので大満足。(3/1)

コンテイジョン
マット・ディモン ジュード・ロウ
新型のウィルスの発生がテーマで、まだワクチンもなくあっと言う間に世界中に拡散していくのは理解できますが、そのためにモチーフを広げすぎ、すべてのモチーフが中途半端になっていました。日を追うごとに死亡者が増えていき、ワクチン欲しさに暴動が起こり、パニックになっていく人々。新鮮さはなくても題材としては面白いのですが、詰めがちょっと甘く、主役がはっきり描ききれていない。ウィルスとは怖いもの、そういう意味では良いのですが、それは誰でもが知っていること。何を言おうとしているのか、よく分かりませんでした
カウボーイ・&エイリアン
ダニエル・クレイグ ハリソン・フォード
インディ・ジョーンズシリーズのハリソンフォードと007シリーズのボンド役のダニエル・クレイグの共演となると、特に二人のファンではなくても、これはもう観る前から期待大です。タイトルから判断しても分かるように、西部劇とSFを融合した荒唐無稽で論理から外れまくり、そして随所に西部劇の要素が取り入れられていました。映画の展開を気にしつつも、舞台となる広大な荒野はとても魅力的。とにかく映画はエンターテイメント!。ただ楽しめれば良いですね。

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
ジョニー・デップ
今回のテーマは永遠の命を授けてくれる「生命の泉」を探しに行くこと。最初の方は面白くて観る方としては真剣そのもの。あっと言う間の150分でしたが、ただ全体的に観て、今回はサプライズがなくストーリーが平坦だったような気がしました。ジャックとアンジェリカとの絡みはちょっと面白く、捕らえられていた宣教師と妖精との絡みは少々物足りない。そうは言ってもやはり楽しめる映画ではありますね。

ザ・タウン
ベン・アフレック
舞台はボストンのとある街・チャールズタウン。この街で親の代から強盗を生業としている強盗一味のリーダーダグ(ベン・アフレック)は、幼馴染と徒党を組み銀行を襲撃、あるときは現金輸送車を襲う。情報をくれるのは花屋を営んでいるファーガス、分け前を一部渡して持ちつ持たれつの関係。ある銀行を襲撃したときに、やむを得ず女性支店長クレアを人質にし、彼女に恋をしたダグは悪事から卒業したいと思うが、裏社会で生きている仲間や花屋のファーガスに「足を洗いたい」という論理が通じるはずもなく・・・。
また、ずるずると引っ張り込まれる。

この映画はベン・アフレックが監督、脚本、主演のサスペンスで、2時間15分という長さを感じさせないストーリーではありましたが、特筆するようなシーンもなく、盛り上がりも無かったように思います。FBIとの銃撃戦で仲間はみんな死んでいきひとり逃亡、というラストを考えたとき、果たしてこれで良かったのかなと思います。
ただキャストはそれぞれの持ち味が良く出ていて、凄く良かったかな。


ナイト&デイ
トム・クルーズ キャメロン・ディアス
ストーリーは単純で、特に深い意味はなく、現実ではありえないシーンが続出。でも、それが最高に面白い。
もう決してそう若くはないトム・クルーズですが、やはりかっこよくて、小気味良いアクションが最高。また、私の独断でいえば決して美人ではないキャメロン・ディアスもとっても素敵で、このふたりが序盤から笑わせてくれました。作品を見るとすぐにその女優さんのファンになりますが、今回もキャメロン・ディアスのファンになったほど。(笑)なるほど、アメリカの映画界でトップを走っているのが納得できます。
最近、その他に観た映画は「告白」「悪人」「13人の刺客」などで、どの作品も重い内容でしたが、なかなか面白い作品でした。

悪人
妻夫木聡 深津絵里
ひなびた漁村で解体業を仕事として働く清水祐一(妻夫木聡)と紳士服量販店で働く光代は出会い系サイトでのメールで知り合った仲。お互いに寂しさを紛らすために頻繁に会っているうちに、祐一がやはり出会い系サイトで知り合った保険外交員を殺していたことを知る。自分が指名手配を受けていることを知り自首する気になった祐一だが、それを光代が引き止めて二人で逃避行に走る。どんなシチュエーションに置いても絵になる妻夫木聡が虚無感にとらわれた孤独な青年を熱演、なかなか良い味を出していました。深津絵里は体当たりの演技で孤独な独身の女性の内なる思いを表現。暗く重い作品でしたが面白かったです。

ジェーン・オースティン
アン・ハサウェイ
ジェーン・オースティンの作品は「高慢と偏見」「いつか晴れた日に(分別と多感)になどいくつか観ていますが、今回はジェーン・オースティン自身を描いたものでした。ジェーンが生きた18世紀から19世紀のイングランドの田舎の中流社会を舞台に、お金持ちの男性からプロポーズを受けながらも、お金もないただの法学士 のルフロイとの秘められた恋に家族を捨てることを決意して駆け落ちします。だが、ルフロイには養わないといけない親・兄妹がいることを知り身を引くことに。実家があまり裕福ではないかぎり、当時は女性の職業も少なくお金持ちの男性と結婚することが一番でしたが、聡明なジェーンはペンで生きることを選択する。18〜19世紀の社会常識は現代とはまるで違うと思いますので、駆け落ちをするなんてなかなか勇気のある女性だったのでしょうね。

アリス・イン・ワンダーランド
ジョニー・デップ ミア・ワシコウスカ ヘレナ・ボナム・カーター
自分を可愛がったくれた父を亡くし少女から大人になったアリスは、パーティーである男性からのプロポーズの言葉を聞きながら、チョロチョロと動き回るウサギを見て「考えさせて」とその場を逃げ出してしまう。うさぎの後をつけて行ったアリスは覗き込んだ穴に落ち込んでしまい、再び不思議の国へと迷い込んでしまった。不思議の国では赤の女王が権力を誇示し欺瞞に満ちた社会となっていた。悪いやつらに追いかけられるが、ふとしたことで出合った帽子屋・マッドハッター(ジョニー・デップ)に助けられ、代わりに掴まったマッドハッターを助けに赤の女王が住む館へ行く。ワンダーランドでは「預言の書」に書かれていた救世主アリスを待ち続けていて、そのことを知ったアリスは赤の女王が差し向ける怪物と戦うことになる。
この作品はジョニー・デップが主演とはいえ、何と言ってもアリスの出番が多くジョニー・デップの出番は割りと少なかったけれど、重要な役どころでありジョニーはやっぱり素敵!赤の女王役のヘレナ・ボナム・カーターもとても上手で、悪役とはいえ憎めないキャラでした。(笑)何にも考えないで観られるこんな映画は良いですね。もう一度観たいほどです。
マイレージ・マイライフ
ジョージー・クルーニー ベラ・ファーミガ アナ・ケンドリック
全米中を飛び回り、企業のリストラの対象者に会社の上司に代わって首を言い渡すことを仕事にしているライアンは、一年の内出張している日が322日と超多忙の日々を送っている。そんなとき、大学を主席で卒業した新人社員が入社してきて、一緒に回る羽目に・・・。そんな忙しさの中で、偶然知り合ったアレックスとの恋を楽しみ、妹の結婚式にも一緒に出席する。シカゴの家に帰っていったアレックスを追いかけていくも、夫や子供がいることを知って唖然とするライアン。
主人公のライアンの演技にいまいち共感できなくて、最初の方は退屈で眠くなりそうでした。それでもアレックス役のベラ・ファーミガは割と好きになりそうな女優さんで、しかもスタイル抜群。後半は割りと楽しく観ることができました。でも、ラストが気に入りませんでした。

シャッター・アイランド
レオナルド・ディカプリオ マーク・ラファロ ベン・キングスレー
ボストン沖に浮かぶ孤島・シャッター・アイランドに精神異常の犯罪者を収容する病院がある。ある日、病院からひとりの女性が忽然と消えてしまう。その捜査のために連邦保安官のテディと相棒のチャックが島に入る。消えた女性は子供を溺死させたというレイチェル。だが、病院の院長や医師、看護師、患者から話を聞くも、捜査の糸口さえつかめない。と、こんな話でしたが、精神に異常をきたした人の妄想が全てなので、そういった人の頭の中をこれでもかというほど見たようなものでした。
戦地での体験がトラウマとなり、最愛の妻の変貌、そして子供の死と二重三重の不幸は人を簡単に変えてしまうのでしょうね。でも、最後テディ「ディカプリオ」の一言が深く余韻を残します。サスペンス?はやはり面白いですね。

恋するベーカリー
メリル・ストリープ アレック・ボールドウィン
夫と離婚して10年。有名なベーカリーを経営しながら3人の子供を立派に育て上げたジェーンは、息子の大学の卒業式に出席するため出向いたニューヨークのホテルで、分かれた夫とばったり出会う。夫は再婚しているにもかかわらず、ジェーンとよりを戻したいそぶりを見せる。ジェーンは幸せな生活を送りながらも、子供たちが自立し一抹の寂しさの中で心が揺れる。また、家の改造のために知り合った設計士(アダム)も離婚経験者で、未だそのトラウマから抜け出せないでいる。そんなアダムとも微笑ましい関係に・・・。
3人3様の思惑?が上手に織り込まれ、ユーモラスなシーンありの、大人のラブコメディーでした。主演のメリル・ストリープはもちろんのこと、夫役のアレック・ボールドウィンや3人の子供たち、長女の婚約者など、それぞれがさすがに上手!素晴らしいキャストでした。今回、長女の婚約者役のジョン・クラシンスキーのファンになったほど・・・。(笑)
しかし、元夫であり子供たちの父親とはいえ、一夜の恋に私は「ちょっと待った!」と言いたい。(笑)またR15指定の作品になってしまったのは残念。誰もが楽しめる映画にしてほしかったです。だってアメリカを代表する女優メリル・ストリープが主演の作品なんだもの。どちらかといえばお洒落な作品なのに、メリル・ストリープがマリファナを喫煙するシーンなんて、合わない合わない!(笑)

グラン・トリノ
クリント・イーストウッド ビー・バン アーニー・ハー 
舞台は自動車会社フォードの街・デトロイト。妻に先立たれたウォルトは、朝鮮戦争での体験がトラウマとなり、かたくなな心に縛られて、子供たちや孫たちともうまくコミュニケーションが取れない。ある日、隣家のモン族の娘が不良に絡まれていたところを助けたことで知り合い、かかわりたくないと思っていたにもかかわらず、モン族の家族に安らぎを覚えるようになる。ある日、自慢のビンテージカーのグラントリノを盗みにきた少年が隣家の娘の弟タオと知り、何かと面倒を見る。そして、しつこく兄妹に付きまとう不良たちに「兄妹にかかわらないように」と脅しをかけるが、反対に娘が乱暴され、怒りが爆発。復讐をするというタオを地下室に閉じ込める。自らは病に冒され余命がないことを知っているウォルトは、命をかけてモン族の兄妹を守るべく、床屋で散髪をして身を整えて、不良の家へと向かう。
クリント・イーストウッド監督・主演の映画ですが、なかなか良かったです。最後はいわゆる武士道、サムライの生き方を感じました。最初はモン族の人たちのことを差別していたけれど、アメリカの象徴ともいえるグラントリノを、子供たちではなくて、タオに残したことがとても印象的でした。
チェンジリング
アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコヴィッチ   
舞台は1928年のロサンゼルス。電話交換手の主任として働いているクリスティンは、一人息子のウォルターと幸せな日を過ごしていたが、クリスティンが仕事に出かけた留守の間に、ウォルターが突然姿を消す。警察に捜査願いを出すが、依然として行方がつかめない。ところが5ヶ月後に警察から、ウォルターが見つかったとの連絡を受けて駅に迎えに行くと、そこには見知らぬ少年がいた。警察は、息子と違うと言い張るクリスティンを、精神病院へと送り込む。

子供の失踪という悲しい出来事に、殺されたと聞かされても、なお何年も探し求める母親の姿に共感、大いに納得できました。また、正義が自己の都合で歪められる当時のアメリカ社会が垣間見れました。弱い女性や自分たちに都合の悪い人たちを排除しようとする権力に対し、牧師を初めとして、立ち上がるたくさんの市民がいることがひとつの救いでしょうか。

オーストラリア
ニコール・キッドマン ヒュー・ジャックマン ブランドン・ウォルターズ
イギリスの上流貴族のサラは、オーストラリアの牧場に行ったまま帰ってこない夫を迎えにオーストラリアへと向かう。しかし、屋敷へ着くと夫は何者かに殺されていて、悲しむ間もなく牧場の経営に携わらなくてはならなくなった。折しも第二次世界大戦の最中。牧場にいる牛を軍に買い上げてもらうべく夫が信頼していたドローヴァーと、アボリジニの少年ナラと一緒に港町・ダーウィンへの大移動が始まる。だが、サラが解雇したカウボーイが商売敵に雇われていて、幾度となく行く手を阻み困難を極める。そんな中、ナラからアボリジニが先祖代々、生活の中でのヒントというか、生きる術を歌に残していたことを聞き、遠くから見守っているナラの祖父の歌で、砂漠の中での窮地を救われる。

ストーリー的にはもうひとつという気もしましたが、壮大で美しいオーストラリアの大自然と、美しいニコール・キッドマンと粗野でいてかっこよいドローヴァー(ヒュージャックマン)が織り成す恋模様は、2時間45分もの長さを感じさせず、心から見入ってしまいました。
オーストラリアというと穏やかな人たちというイメージですが、やはり、どこにでも悪人はいるものですね。劇中に流れるOver The Rainbowが心に切なく響き、とても素敵でした。
おくりびと
本木雅弘 広末涼子
邦画はDVDで」というのが私の主義ですが、アカデミー賞を受賞したとなると、DVDが出るまで待っていられない。(笑)
感想を一口で言うと、アカデミー賞を受賞したのも納得の、なかなか良い映画でした。納棺師の話なので暗く悲しい映画かなと思っていましたけど、何も考えないで冷静に観たからでしょうか。涙は流れなかったです。特に前半では、随所にユーモアがちりばめられていて笑いを誘っていました。ストーリーが凄い!いくつかのモチーフをうまく絡ませながらの展開がとても上手でした。主役を初めとして、今回亡くなった人を演じた人たちの人生の縮図が垣間見れ、また、舞台となった山形県庄内平野の美しい景色や、納棺師になる前まで所属していたオーケストラの演奏など、外国人好みの要素も取り入れられてあり、全てが良かったように思います。夫の納棺師の仕事がイヤで実家にまで帰った妻が最後に「夫は納棺師なのです」のひとことで決まり!(笑)奥さん役の広末涼子の演技がいまいちとの声が一部ありますが、私は全然違和感はなかったです。特筆すべきは本木雅弘の演技であり、山崎努の存在感でしょう。
とはいえ、多少の不満も残りました。
納棺師の仕事を軽蔑していた同級生だが、自分の母親の納棺を立派にしてくれたことで何を思ったのかも描いてほしかった。
マンマ・ミーア
メリル・ストリープ
舞台はギリシャ。エーゲ海に浮かぶ美しい島で小さなホテルを経営しているドナ。その娘・ソフィは結婚式を上げるにあたって、母に内緒で自分の父親かも知れないと思われる3人の男性を招待する。ヴァージンロードは、是非父親と歩きたいと思っているからだ。だが、それを知ったドナは狼狽しながらも、過ぎ去った美しい青春を思い、心動かされる。

全編に流れる’70年代に大活躍したABBAの楽曲が素晴らしく、メリル・ストリープを初めてとして、キャストが全身全霊で歌い踊るさまはとてもかっこ良く、またチャーミング。観客をどんどんストーリーの中へといざなってくれる。キャストも凄い!スタッフも凄い!ミュージカルの本場アメリカの技術の高さに驚かされました。頭の中でまだ流れているダンシング・クィーン。誰しも一度は聞いたことがあるかも知れないですね。

ベンジャミン・バトル 数奇な人生
ブラット・ピット ケイト・ブランシェット
病院で一人のお年寄りが今にも息を引き取ろうとしていた。その老婆は付き添う娘に、トランクの中に入っている日記を読んでほしいという。

舞台は、1918年アメリカのニューオリンズ。ボタン製造会社を営むバトル家に男の子が生まれた。母親は死亡。父親は、80歳の老人の顔をもって生まれた子供を見て驚愕。赤ちゃんを抱えて飛び出し、老人ホームの裏口に置き去りにする。赤ちゃんはそのホームの経営者クイニーに拾われて、ベンジャミンと名づけられてホームで育てられるが、月日の経過とともに少しずつ若返っていく。ある日、入所している女性のもとに面会にきた孫娘(デイジー)との出会いが、ベンジャミンにとってとても大きな出来事であった。17歳になったベンジャミンは施設を出て自立するも、たくましい青年になった姿でホームへ戻りデイジーと再会、お互いに惹かれあう。デイジーはどんどん歳を取っていく自分と、反対に若返っていくベンジャミンとの違いに不安を抱きながらも、ベンジャミンの子供を出産。しかし、ある日ベンジャミンが去り月日が流れる。そしてまた、突然デイジーの元に現れるベンジャミンだったが、すでにデイジーは再婚していた。更に月日が流れデイジーのもとに、「痴呆症になった一人の少年を保護した」との連絡があり、それは紛れもなくベンジャミンだった。デイジーの腕の中で息を引き取ったとき、ベンジャミンはすでに赤ちゃんの姿となっていた。

高齢化社会の今、老いについて考えさせられる、感動に値する作品でした。たびたび、アンチエイジングが話題になりますが、若返っていくことで不幸になることもあるのですね。あり得ないことですが、この発想が素晴らしい!

レッド・クリフ
金城武 トニーレオン
この映画はタイトルのとおり、三国志の中の数あるエピソードの中から、曹操と劉備・孫権連合軍の戦い(赤壁の戦い)が描かれています。曹操率いるのは80万の大軍、一方連合軍はたったの5万。「赤壁の大敗北」という言葉がありますので、すでにどちらが勝利するかは分かっています。
曹操軍の兵士たちは慣れない船での出陣で弱りきっていますので、敵を前にして、まずは一日の休息を取るように命令する曹操。対する劉備の軍師・諸葛孔明は並外れた能力を持ち、これまた攻撃のチャンス(気象を読んでいる)がくるのを待っている。

今回の作品は、厳しい戦国の世にあって、ひとつの愛が描かれていました。孫権の司令官・周瑜の妻に対する優しさに、時代を超えてロマンを感じます。
壮大なる物語・三国志を万人受けされるように演出がなされてあり、時折目を覆いたくなるシーンも無きにしも非ずですが、周瑜役のトニーレオン、諸葛孔明役の金城武などの魅力も相まって、一言でいうと面白かったです。

最後の初恋
ダイアン・レイン
別居中の夫に娘と息子を預けて、親友の頼みで海辺の小さなホテルのお手伝いをすることになったエイドリアン。シーズンオフのホテルでは客は医師のポールひとり。それぞれ悩みを持ち心に傷を受けた者同士が出会い、惹かれあっていくのに時間はそうかからない。ポールの息子も医師で、父親に反発して遠い外国に行っている。自分の気持ちに正直に生きようと、エイドリアンに「必ず帰ってくる」と約束して息子のもとに旅立っていく。キャストは、中年になってますますかっこ良いリチャード・ギアと、翳りのある美しさを持つダイアン・レイン。ホテルや家のインタリアがとても素敵で、久しぶりにお洒落な映画を観て大満足でした。ただ、どうしてアンハッピーエンドにするのでしょう。ハッピーエンドで終わらせて、幸せな気持ちにさせてほしかったな〜。(10/24)

幸せの1ページ
ジョディ・フォスター
タイトルや宣伝を見た感じから、てっきりラブストーリーと思っていた私は、観始めてがっかり。荒唐無稽でファンタジーなストーリーに、心の中で「しまった」と何度思ったことでしょう。コーヒーとポテトチップスを食べ終わったら、劇場から出るべきかなど、映画好きな私にしては珍しくマイナス思考です。(笑)でも、観ていくうちに、笑いを誘うシーンあり、また、子役のうまさ、ジョディ・フォスターの存在感に思わず引き込まれて、後半は割と楽しく観られました。とはいえ、満足度は60%でしょうか。この数字でしたら、DVDか或いはテレビ放送で十分かな。
ハプニング
マーク・ウォールバーグ ズーイ・デシャネル
たくさんの人たちで賑わうニューヨークのセントラルパーク、その公園で突然、散歩中の人たちに異変が起きる。ある人はピストル自殺、またある人はガラスの破片で傷つける。同じ頃、セントラルパークから3ブロック離れた工事現場では、次々に人が転落死している。また全米各地でミツバチが突然消えてしまうという、この種々の異常事態に、授業中だった高校では生徒を家に帰し、教師のエリオットも妻と、友人の娘の3人で避難を始める。

世界規模で環境破壊が進んでいる中で、脅威にさらされた植物が、自らを守るために毒素?をふりまき、人間の脳を狂わせていく。これは、もしかしたらあり得ない話ではなくて、現実に起こりうる話かもと思わせます。現代社会への警鐘と言うことでしょうか?1時間40分と割と短い映画でしたが、ストーリーが新鮮でハラハラドキドキ、ちょっぴりホラー的なシーンありで、久しぶりに面白い映画でした。

つぐない
キーラ・ナイトレイ ジェームズ・マカヴォイ シアーシャ・ローナン  
舞台は1935年のイングランド。文学少女でもある13歳のブライオニーは、家政婦の息子ロビーに秘かな想いを寄せている。ある夏の日、姉セシーリアとロビーのただならぬ関係を目撃する。それは多感な少女にとってはもっとも衝撃的で、許しがたいことでもあった。ある夜のこと、タリス家に遊びに来ていた子供がいなくなり、探している最中、その子供の姉が何ものかに襲われる。ブライオニーはその犯人の名をロビーだったと嘘の証言をする。ロビーは警察に捕まりセシーリアはロビーとの仲を引き裂かれる。あたかも時代は戦争へと向かっていき、牢獄へ入る替わりに入隊の道を選んだロビーとナースとして働くセシーリアは、レストランでのたった一度の出会いが最後に・・・。また、姉妹の冷えた仲もついに歩み寄ることなく・・・。
ブライオニー演じるシーアシャ・ローナンがとてもキュートで、また、姉セシーリアを演じたキーラ・ナイトレイの華奢な体ながらドレス姿が美しかったです。印象的なシーンが随所に散りばめられてあり、また同じシーンを視点を変えて見せるなど凝ったつくりで、前半は物語にぐいぐいと引き込まれていきました。ただ後半の戦争シーンがちょっといまいち。
自分がついた小さな嘘が二人の人生を大きく変えたことを後悔し、その罪を一生背負い、作家として身を立てた今、セシーリアもロビーももういないけれど、遠い昔本当に見たことを書き残すべく「つぐない」を発表するブライオニー。あまりにも切ないラブストーリでした。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
ハリソン・フォード ケイト・ブランシェット
前作から19年振りですので、キャストが多少歳を取っているのは仕方がないでしょう。私も随分歳を重ねましたが、当時の気持ちで鑑賞!(笑)特に特筆する目新しさはありませんが、ストーリー、アクションなど面白さは健在でした。ストーリーの重要な部分に水晶のどくろや頭蓋骨など事実にあった出来事(発見)が随所に散りばめられてあり、それらは私の記憶の中にもありますので、事実を裏打ちするようなそんな感じで楽しむことが出来ました。南米の滝や冒頭のロズウェル事件のモチーフもしかりです。一口で言うと荒唐無稽であり、荒唐無稽ではない面白さもありと言うことでしょうか。今回はアカデミー女優のケイト・ブランシェットも出演していますので、余計に面白かったです。

母べえ
吉永小百合 坂東三津五郎 浅野忠信 壇れい
舞台は昭和15年の東京。野上家は妻と娘二人の4人家族で、それぞれを「母べえ」「父べえ」「初べえ」「照べえ」と呼び合う仲良しの家族である。ある日、ドイツ文学者の父べえは書物で政府を批判した罪で投獄される。残された母べえは学校の教員となって子供たちを守り育てていく。そんな折、父べえの教え子が野上家を訪れ、以後、野上一家をいろんな面で支え続けてくれる。この映画はタイトルが示すとおり、母性愛をテーマにしている映画だと思います。戦争や思想など抜きにして、母として必死に子供を守り育てていく無償の愛。だからこそ、戦争中であっても、そう悲壮感は感じられなかった。母べえの最後の一言「生きているお父さんに会いたかった」自分はただただ「父べえ」を愛しただけ、そして「子供たち」を「家族」を愛しただけだろうと思います。この映画は、日本を代表する女優・吉永小百合が演じてこそだと思います。他のキャストも素晴らしかった。
シルク
マイケル・ピット、キーラ・ナイトレイ、役所広司
舞台は19世紀のフランスと日本。戦地から故郷に戻ってきたエルヴェは、美しい女性に出会い結婚する。同じ頃、製糸工場を営むヴァルダヴュから、欧州の蚕が伝染病で全滅したため、遥か遠くの異国の地・日本での蚕の卵の買い付けを頼まれる。エルヴェは美しい妻に心を残しながらも遠い日本へと旅立っていく。その行程は想像を絶する苦難の道のりだが、何とか無事に辿り着くことができた。幕末の日本はエルヴェにとってすべてが不思議なことばかりだが、村の権力者・原十兵衛の采配により卵を買うことができた。帰国後、得た利益で広大な土地を買い、美しい妻との満ち足りた生活に満足しつつ、日本で出合った女性を想い心が揺れ動く。
ナショナル・トレジャー
ニコラス・ケイジ
アメリカのリンカーン大統領暗殺に端を発した物語で、後半はインディ・ジョーンズを髣髴とさせる展開ですので、新鮮さはありませんでしたが、冒険心をあおります。純粋に娯楽映画として大いに楽しめました。歴史の浅いアメリカで歴史を紐解く面白さもあり、あと何と言っても雄大な自然を観られるのが楽しいです。
アイ・アム・レジェンド
ウィル・スミス
ガン治療の新薬が開発され、ほぼ100%の治癒率のはずだったが・・・。人類滅亡への道を進むことになる。三年後、ウィルス発生地の大都会ニューヨークにただひとり、軍の研究者であるロバート・ネビル博士が愛犬とともに生き残っていた。その一方、ドラキュラと化した凶暴な人間が暗闇に潜んでおり、博士を襲ってくる。毎日正午に、ラジオの全周波数を使い、どこかにいるかも知れない生存者に呼びかけながら、自宅の研究室で、人類を滅亡させたウィルスの血清の研究を続けることに、いちるの希望を抱いている。
終盤を除いて出演者はたった一人だけれど、ウィル・スミスの迫真に迫る演技にハラハラドキドキ、また印象的なシーンが随所にあり、観ていて飽きなかったです。CGを駆使した荒廃したニューヨークの街並みや、コンクリートの隙間から生えている雑草が、まるで本物みたいで素晴らしい。

ALWAYS 続三丁目の夕日
堤真一 薬師丸ひろ子 吉岡秀隆
舞台は昭和34年の東京。細々ながらも確実に成長してきている鈴木オートでは、事業が失敗して出稼ぎに行くことになった親戚の子供を預かることになる。だが、今まで何不自由なく育った子供にとって、家が狭くお風呂のない鈴木家とは環境が違いすぎてなかなかなじめない。一方、小説家を目指しながら駄菓子やを営む茶川は、成り行きで引き取った淳之介と暮らしつつ、ヒロミへの想いを断ち切れないでいた。ある日、子供の将来を不安に思い淳之介を引き取りにきた父親に、もう一度だけチャンスをくれるように頼み、文壇の新人賞・芥川賞を狙うべく、駄菓子屋を休んで執筆に精を出す。その甲斐あって最終選考には残るが・・・。
久し振りにほんわか心が温まる素敵な作品でした。CG技術を駆使して再現された昭和34年の東京の町の風景が素晴らしい。2時間半という長さですが、全編を通してほのぼのとした温かみを感じさせてくれるのは、母親役の薬師丸ひろ子の存在が大きいのかも知れない。加えて子役の男の子二人が実に素晴らしく、良い味を出していました。
私は吉岡秀隆のファン、機会があったらもう一度観たいな。
ブレイブ ワン
ジョディ・フォスター テレンス・ハワード
ラジオのパーソナリティのエリカは恋人と公園を散歩中に数人の暴漢に襲われて、恋人は死亡、自らも瀕死の重傷を負ってしまう。退院後、護身のために銃を購入するが、ある日コンビニで殺人を目撃し、その犯人に気付かれたために夢中で引き金を引き犯人を殺してしまう。また、電車の中で執拗に絡んでくる若者を殺したことで次から次へとエスカレートしていき、自分には関係のない理不尽な犯罪者に対しても、平気で引き金を引くことができるようになった。その頃、刑事が恋人を殺した犯人の手がかりをもってくる。
いかなる理由があろうとも殺人は決して許されることではないですね。
しかし、冒頭の暴行のシーンで、理不尽に殺された恋人と残された家族やエリカの気持ちを考えたとき、わずかながら溜飲が下がる思いがしたことを否めない。
ヘアースプレー
ジョン・トラヴォルタ ミシェル・ファイファー ニッキー・ブロンスキー
時代は1962年のボルチモア。高校生のトレーシーは歌とダンスが大好き。放課後は、親友のベニーと一緒にTV番組の「コーニー・コリンズ・ショー」を見るのを楽しみにしていた。そしていつか自分も歌手にという夢を持っている。ある日、ショーのメンバーのオーディションがあるということを聞き、早速駆けつけるが、番組を仕切っている部長の偏見で邪魔される。
とにかく文句なしの楽しい映画でした。ミュージカルのテンポの良さが小気味好く、60年代の社会の矛盾を描きながらも、観客も一緒になって楽しめるそんな映画でした。劇中の歌もすべて素晴らしく、それぞれの俳優の歌唱力にも驚きました。(10/22)
幸せのレシピ
キャサリン・ゼター・ジョーンズ アーロン・エッカート アビゲイル・ブレスリン
マンハッタンのレストランでシェフとして働くケイトは事故で姉を失い、姉の9歳の娘を引き取って育てる。だが、子供を育てたことのないケイトには、母親を失って心に深い傷を負った姪ゾーイの気持ちがつかめない。自らも姉を失ったことで動揺、仕事も手につかず1週間の休みを貰う。その間に、自分の全てと思っていたお店には新にシェフが入り、厨房の雰囲気が変わっていて、何かと苛立ちを覚え突っかかってしまう。人間にとって食は何よりも大切なもの。ある日、厨房に姪を連れて行ったところ、新しいシェフ、ニックの作ったスパゲティを姪が食べたことでケイトとニックの仲が好転、深まっていく。姪の心も少しずつ癒され明るくなってきたストーリーはもちろん素敵ですが、ヒロインのキャサリン・ゼタ・ジョーンズの美しさと何気ないファッションに釘付けになりました。
ミス・ポター
レニー・ゼルウィガー ユアン・マクレガー エミリー・ワトソン
ピーター・ラビットの作者、ビアトリクス・ポターはイギリス名門の生まれで、幼い頃より、まるで魔法のようにお話を紡ぎだすことが得意であった。ある日、自分の作品を出版会社に持ち込み、出版の同意を得る。本の売れ行きは良好で次々に作品を発表する。ビアトリクスの担当者でもある出版会社の三男でノーマン・ウォーンとは仕事を通して意気投合。クリスマスの夜にプロポーズされる。
ビアトリクス・ポターは避暑に訪れるだけであった湖水地方を愛し、生涯の前半をイギリスで、後半を湖水地方で過ごす。そして、莫大な印税で、開発の波に流されそうになる土地を購入していく。

大好きなレニー・ゼルウィガーがミス・ポターを好演。絵のように美しい湖水地方の景色が何よりも素晴らしく、お洒落で心癒される作品でした。一人で過ごす時間、心が疲れたときetc、折に触れ観たい映画になりました。 ピーター・ラビットの愛らしさ、上品な色彩は時代を経た今もなお、人々を魅了し続けていますね。
ダイ・ハード4.0
ブルース・ウィリス 
ハイテクが苦手な刑事マクレーンが、国家をも揺るがすサイバーテロに体を張って挑んでいく。アナログ人間対デジタル人間の戦いとでも言うのでしょうか。最初から最後まで、これでもかという凄まじいアクションが凄い。また今回は、滑走路が要らない最新鋭戦闘機F-35の登場で度肝を抜かれました。ホバーリングで攻撃されたらひとたまりもないが、そこは無敵を誇るジョン・マクレーン刑事、大怪我を負いながらも切り抜けていく。
最後まで続く迫力あるアクションに釘付け、面白い映画に大満足でした。今回、敵役を演じたティモシー・オリファントにも注目しました。
バベル
ブラット・ピット ケート・ブランシェット 菊池凛子
モロッコのある村で、子供が悪戯で撃った銃が、観光バスに乗っていたアメリカ人夫婦のスーザンに当たり、瀕死の重傷を負ってしまう。この夫婦の二人の子供の世話をしているベビーシッターは、息子の結婚式に出席するためメキシコへ帰るつもりだったが、代わりのベビーシッターが見つからず、仕方なく子供ふたりを連れてメキシコへ帰る。結婚式もパーティーも無事終わり、甥の運転する車でアメリカへ帰る途中、国境で飲酒運転がばれて強行突破、警察に追いかけられる羽目となる。
日本では、ろうあの高校生チエコが、母親の自殺で負った傷が癒えないまま、日々の生活において思い通りにならないもどかしさに、突拍子もないことをしてしまう。
そのえみ子の父親は昔、モロッコでハンティングをしたことがあり、そのときのガイドに銃をプレゼントしていた。
モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本と舞台が分れ、それぞれ関係のない三つの物語が進んでいきますが、一つの銃によってすべての話が繋がります。

この作品を一口で言うと、タイトルが示すとおり人間の愚かさを描いています。どこにいても起こり得る人間の愚かさ、人間が繰り返してきた愚かさを、三つの切り口から描き、一つにまとめた手腕は凄いですね。なかなか見応えのある映画でした。
アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊池凛子の演技はもちろんのこと、4人の子供たちの演技も自然で素晴らしかったです。
パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド
ジョニー・デップ オーランド・ブルーム キーラ・ナイトレイ
世界的に大ヒットしている映画の最終章、期待に胸を膨らませながら観に行きましたが、期待に違わず、なかなか面白い映画でした。 この映画はいろんな要素が多すぎて、ストーリー云々よりも映像を楽しむ映画かなと思います。ですから、ストーリーは省略。無条件で娯楽作品として大いに楽しむことができました。一つ言わせてもらえれば、主役が誰か分らないような感じがしましたので、ここははっきり、主役のジョニー・デップの活躍をもっともっと引き出してほしかったです。
ブラッド・ダイヤモンド
レオナルド・ディカプリオ ジェニファー・コネリー ジャイモン・フンスー
激しい内戦が続くアフリカのシエラレオネの小さな村が、反政府軍RUFに攻撃され、漁師のソロモンは、長男を連れ去られ、自らはダイヤモンドの採掘場へ送られる。そこで偶然掘り当てたピンクダイヤを夢中で隠すが、ちょうどそのとき政府軍の攻撃に合い捕まってしまう。 ダイヤの密売人ダニー・アーチャーは、裏から手をまわしてソロモンを開放させる。折からダイヤモンドの密売を暴こうとしていたジャーナリストのマディ・ボウエンと知り合い、ここにダイヤをめぐる3者の思惑が一致する。
RUFの残虐な行為が描かれていましたが、人間はここまで残虐になれるものかと、あらためて驚きました。おそらく、実際にはもっと凄いことがあったに違いないと思います。
人間の支配欲、財産欲がある限り、争いは避けられないものでしょうか。
ディパー・テッド
レオナルド・ディカプリオ マット・ディモン ジャック・ニコルソン
それぞれの生い立ちがあまり詳しく描かれていませんでしたが、犯罪者を父に持つビリーと、貧しいが故にマフィアのボス・コステロに育てられたコリン。二人は共に警察学校を卒業。 上司の命令でマフィアに潜入したビリーは、強い正義感と使命を持ち、コステロ逮捕のために命がけで情報を上司に報告する。一方、コリンは州警察のエリートとしてマフィアの捜査に携わることになり、捜査状況の詳細をコステロに流す。中盤ではそれぞれに内通者がいることが発覚、探し出そうとするが・・・。
香港映画のリメイクということですが、私はオリジナルを観ていませんので、最初から最後まで緊張感が続き、なかなか面白い映画でした。ただ、ラストの描き方には少々不満が残ります。ディカプリオとマット・ディモンの迫真せまる演技には満足。また、コステロ役のジャック・ニコルソンも迫力がありました。
幸せのちから
ウィル・スミス ジェイデン・スミス
クリス・ガードナーは医療機器のセールスマン。だが、商品が売れず家賃も払えない生活に、愛想を尽かした妻は出ていってしまう。息子を抱え、何とかこの生活から抜け出そうと必至である。そんな折、ある証券会社の幹部に自分を売り込み、養成コースに通うことになる。ただし無給。研修期間中に結果を残さなければ採用されない。しかも、採用されるのはたったのひとり。残ったお金はほんのわずかだけになり、とうとう家賃を払えないために家を追い出されてしまう。教会の施しで泊まれる宿を確保するために、効率よく仕事をこなして早めに退社し、教会の前で息子と並ぶ毎日だが、あるときはそれさえ出来なくて、駅のトイレで寝る羽目になり、さすがに頑張りやのクリスも、厳しい現実に涙を流す。

子供に全愛情を注ぎ、守り育てるために必至で頑張る姿は素晴らしいですね。ウィル・スミスの演技力もさることながら、息子役のジェイデン・スミスがなかなか上手だった。親子共演ということで二人の息もぴったり。 どんな状態であれ、子供は親といると一番安心感があるのですよね。
しかし、劇中、クリス・ガードナーはよく走っていましたね。
ま、気持ちは分かりますが・・・。
マリー・アントワネット
キルスティン・ダンスト ジェイソン・シュワルツマン
オーストリア・ハプスブルクとフランス・ブルボン両王朝の同盟の証として、1770年、ハプスブルクきっての女帝マリア・テレジアの末娘、マリー・アントワネットと、フランスのルイ15世の孫ルイ・オーギュストの結婚式がベルサイユ宮殿で盛大に行われた。ときにマリーアントワネットは14歳。ルイ・オーギュスト15歳(後のルイ16世)だが、狩猟と鍵作りが趣味という夫ルイとは心を通わすことができない。気を紛らすために遊びや賭け事にのめり込み。母マリア・テレジアからの忠告にも耳を貸さず、取り巻きに囲まれて遊興三昧の日々を過ごし、故郷オーストリアの自然そっくりの景色や田舎屋を作らせるなど贅沢のし放題。その間にも世の中の情勢は日々刻々と変わり、次第に追い詰められていく。
今回の映画は政治的なものは一切描かれてなく、ただ王妃として、また、ひとりの女性としてのマリー・アントワネットの人生にスポットを当てた映画でした。当時は政略結婚は当たり前のことだから、マリー・アントワネットも覚悟は出来ていただろう。ただ、フランス王妃となっても、心の奥深い部分を強く占めていたのは故郷オーストリアのことだったのではないだろうか。14歳といったらまだまだ子供、まして深窓に育ったお姫様。立派な女官がついていたらと思わずにはいられない。実際にベルサイユ宮殿で撮影されただけあって、豪華な調度品や広大な庭園を見られただけでも楽しかった。また、マリー・アントワネット役のキルスティン・ダンストがとても愛らしく、悪女に見られがちなマリー・アントワネットの優しい部分をよく表現していると思った。
硫黄島からの戦い
渡辺謙 二宮和也、中村獅童
硫黄島の戦いは草木も生えないほど銃弾が降り注いだ激戦地ですが、その様子は本の中で書かれていることしか分かりませんでした。今回映画を観て、こんな風に戦って、こんな風に死んでいったのかなと胸につまされるものがありました。最後はみんな、家族を思いながら死んでいったのですよね。 あの時代があるから今があるんだなと深く考えさせられました。
武士の一分
木村拓哉 檀れい 桃井かおり
下級武士の平凡な日常が、思いがけぬ不運に見舞われたことで歯車が狂い、そのことで上司に騙され汚された妻を離縁し、武士の一分を通すためには死をもいとわないという新之丞は復讐を誓う。 人生というものは、問題が起きたときにどう切り抜けていくかで、その後の人生が決まりますね。キムタクのファンではないのでコメントは置いといて、相手役の壇れいはとても上手で惹かれるものがありました。 彼女は、元宝塚歌劇団の娘役のトップスターで、何年か前にテレビで、やはり元宝塚月組の男役トップスターだった真琴つばさとの舞台を観たことがありますが、当時の華麗な姿とはまた違った、楚々とした着物姿もよく似合ってとても素敵でした。
父親たちの星条旗
ライアン・フィリップ ジェシー・ブラッドフォード
第二次世界大戦における「硫黄島」でのアメリカ兵の戦いとその後を、アメリカの視点で描いた作品です。硫黄島の戦いは、草木も生えないほどの銃弾が降り注いだ激戦地で、多分日本兵は全滅に近い状態、アメリカ兵もかなりの死傷者を出した戦いです。その硫黄島で一番標高の高い摺鉢山にアメリカ海兵隊員が星条旗を掲揚。その姿を写した一枚の写真が新聞に掲載され、その中の兵士3名は一躍英雄となり、本国に戻されてもてはやされることになる。だが、それは実際には2本目の旗だったことで、英雄と呼ばれることに対しての、3人の兵士のそれぞれの受け止め方を表した映画でした。戦争という悲劇ですが、お涙頂戴の映画ではなく、なかなか面白かったです。
プラダを着た悪魔
アン・ハサウェイ メリル・ストリープ
大学を卒業してニューヨークに出てきたアンディは、もともとジャーナリスト志望だが、そのステップとして、全世界の女性憧れのファッション誌のやり手の編集長ミランダのアシスタントとしての面接を受ける。ファッションセンスのない地味な彼女だが、大学卒業の履歴がミランダの目に留まり合格する。公私の区別なく、あれこれと命令するミランダに怒りを感じながらも、持ち前の明るさと頭脳で仕事をこなし、ファッションセンスを磨いていく。ミランダに認められパリコレの同行を許されるまでになるが、あることをきっかけに仕事を辞めて、夢であるジャーナリストになるべく面接にいく。
仕事と恋の板挟みに悩むのは分かるが、ジャーナリストになっても同じ悩みが出てくると思う。でも頑張れアンディ!
普段見ることが出来ないファッション業界の裏がコミカルに描かれていてとても楽しい映画でした。オスカー女優のメリル・ストリープの演技は然ることながら、有名ブランドの服を次々と着こなすアン・ハサウェイがとても美しい。
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